厚生労働省 女性活躍促進に向けた配偶者手当改革の検討会をスタート
女性活躍は現代の人事管理において非常に重要なテーマの一つとなっています。労働力人口が減少していく中、女性の就労を促進していくことは日本という国の力を維持するためにも不可欠な条件となっていることから、今後様々な改革が進められることが予想されます。
そんな中、よく持ち出されるのがいわゆる103万円、130万円の壁による就労抑制の問題です。女性労働者が所得税や健康保険の扶養家族に入ることができるよう収入を調整するケースは非常に多く、それが結果的に女性の就労を抑制してしまっています。これと同じような問題を抱えているのが、企業の配偶者手当の支給基準です。一般的に配偶者に対する家族手当の支給においては「所得税法上の扶養家族であること」といった要件が設けられており、それも女性の就労を抑制する一つの要因となっています。
そこで厚生労働省はこの問題に対応すべく、今週火曜日(2015年12月15日)に「第1回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」を開催しました。この検討会では「労使において女性の活躍の更なる促進に向けた配偶者手当の在り方の検討を行うための背景、課題等を整理するとともに、見直しを行う場合の留意事項等を示すことを目的」として開催され、来年3月には報告書が示される予定となっています。
その第1回の資料を見ると、配偶者手当の見直しを行った各社の事例が取り上げられており、これは今後、同様の賃金制度改革を行う際の参考になる内容となっています。以下より見ることができますので、是非ご確認ください。来年以降、家族手当改革が企業の人事制度における大きなトレンドとなりそうです。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000107110.html
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参考リンク
厚生労働省「第1回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000107110.html
(大津章敬)
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