臨時に賞与を払う際の賞与支払届はどのようにすればよいですか?

 服部印刷に着き、車を降りた大熊はあまりの寒さに顔をしかめていると宮田部長が早速、応接室に招き入れてくれた。


大熊社労士:
 こんにちは。今日も冷えますね。
宮田部長:
 本当にそうですね。ささ、中にお入りください。
大熊社労士:
 ありがとうございます。さて、今日は賞与のことで何か聞きたいことがあるとのことでしたが。
宮田部長宮田部長:
 はい、いやね、大したことではないのですけど、先月、冬季賞与を払って、賞与支払届を年金事務所に提出したのですが、ふと、決算賞与など臨時で賞与を払ったときにはどうするのだろう?と思ったのですが、やはり届出が必要なのですか?
大熊社労士:
 とてもよい質問ですね。宮田部長のおっしゃる通り、賞与支払届の提出が必要になります。大したことではありません。
宮田部長:
 やっぱり。でも、大したことじゃないとおっしゃるのはなぜですか?
大熊社労士:
 はい。昨年の冬に提出した賞与支払届のことを思い出してください。どういう流れで提出しましたか?
宮田部長:
 えっと…、賞与の支給額が決まって、賞与計算をした後、支給額に従い、一人ひとりの支給額を、賞与支払届に記載し、その後、年金事務所に提出しました。
大熊社労士:
 そうですね。ちなみにその賞与支払届はどうやって入手されましたか?
宮田部長:
 え?年金事務所から送付されてきましたけど…。
大熊社労士:
 そうですね。賞与支払届は、あらかじめ賞与支払予定月として年金事務所に登録してある月の前月に、被保険者の氏名、生年月日等を印字されたものが届くことになっています。つまり、臨時で賞与を支給した場合には、賞与支払届が送付されてこないので、自ら提出しなければなりません。
宮田部長:
 なるほど。その場合、用紙はどうすれば入手できますか?
大熊社労士:
 はい、年金事務所に連絡することで、送付してもらえますし、ホームページ上からもダウンロードできますよ。
宮田部長:
 なるほど。そうなんですね。でも、用紙が送られてこないとどうしても提出を忘れてしまいそうですよね。
大熊社労士大熊社労士:
 確かにそうですね。提出するのを忘れてしまうと、保険料の納付漏れにもなってしまいますし、被保険者本人の年金記録の漏れにもなります。来年度以降も同様の時期に賞与が支給されるのであれば、賞与予定月を変更しておくことも提出漏れを防ぐ有効な手段だと思いますよ。
宮田部長:
 なるほど、そうですね。でも、それはどうやって行うのですか?
大熊社労士:
 はい、賞与支払予定月を記載する欄のある賞与支払届総括表、算定基礎届総括表、事業所関係変更(訂正)届に新しい賞与支払予定月を記載し提出することになります。
宮田部長:
 了解しました。社長がうちは毎年決算賞与をドーンと支給するぞ!と言ってくれるようでしたら変更することにしますね(笑)。ありがとうございました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
  こんにちは、大熊です。今日は賞与支払届のイレギュラーケースについて取り上げました。年金事務所から送付されてくる賞与支払届ですが、印字されている被保険者等の情報は、賞与支払予定月の前々月の19日までの情報が基となっています。したがって、その後の資格取得等については、最後の空欄部分に追記することとなっています。


関連blog記事
2012年7月9日「賞与の社会保険料はどのように計算すればよいですか?」
https://roumu.com/archives/65565518.html

参考リンク
日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=2059

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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