若年労働者の定着のため対策 もっとも実施割合が高いのは「職場で意思疎通の向上」

 新規採用が非常に難しい環境の中、多くの企業では、人材の定着に対策の重点を移しています。そこで今回は先日、厚生労働省から公表された「平成30年若年者雇用実態調査の概況」の中から、若年労働者の定着のために実施されている対策について見てみましょう。なお、この調査における若年労働者とは、調査基準日現在で満15~34歳の労働者を言います。

 今回の調査から、若年労働者の定着のための対策(複数回答)についてみてみると、上位5つは以下のような割合となっています。
[若年正社員]
(1)職場での意思疎通の向上 59.0%
(2)本人の能力・適性にあった配置 53.5%
(3)採用前の詳細な説明・情報提供 52.0%
(4)教育訓練の実施・援助 49.5%
(5)労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励 37.8%

[正社員以外の若年労働者]
(1)職場での意思疎通の向上 58.3%
(2)本人の能力・適性にあった配置 49.4%
(3)採用前の詳細な説明・情報提供 49.2%
(4)仕事の成果に見合った賃金 35.8%
(5)教育訓練の実施・援助  35.7%

 正社員と正社員以外の若年労働者ともに、実施している対策の割合がもっとも高いのは「職場で意思疎通の向上」となっています。また、上位3つまでは同じ内容ですが、正社員は4位に教育訓練、正社員以外は成果に見合った賃金となっており、人材活用等が異なることから、定着に向けた対策に違いがあることが読み取れます。

 人材の定着に向けて、自社ではどのような対策が必要なのかを検討する際に、今回の調査結果などを参考にしたいものです。


参考リンク
厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-h30.html

(福間みゆき)