男性国家公務員の1か月以上の育児休業取得促進のための具体的取り組み内容

 以前より各種報道において、国家公務員の男性職員について1か月以上の育児休業取得を義務付けるという方針が伝えられていましたが、2019年12月27日に女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定として「国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針」が示されました。

 今回、「男性職員が育児に参画する時間をきちんと確保し、民間部門も含めた我が国全体の育児休業等の取得率向上につなげていくためにも、民間の先進事例も参考に、令和2年度から、子供が生まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に育児に伴う休暇・休業を取得できることを目指し、政府一丸となって、取組を進めることとする」との方針の下に、「男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得を促進するための取組」としては、以下の6点が掲げられています。
(1)職場全体の意識の変革
(2)対象職員の把握
(3)取得計画の作成
(4)休暇・休業中の業務運営の確保
(5)計画に沿った取得の促進
(6)人事評価への反映

 人事担当課は、管理職員からの報告により対象職員の取得予定を確認し、取得意向がない又は期間が1か月に満たないといった場合には、管理職員又は当該職員に対し、理由の確認や勧奨を行うなど、方針の徹底のための対策も講じられるようですが、今回注目されるのが(6)人事評価への反映です。この点に関しては以下の方針が示されています。
・幹部職員、管理職員、人事担当課の職員等の人事評価において、当該職員の男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得を促進するための取組を適切に反映することとし、内閣人事局は、これに係る考え方・方法・目標設定例等について、各府省等に通知する。
・幹部職員については、男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得促進に向けた強いメッセージの発出、組織における取組の状況の確認や必要な対策の実施等を評価対象とする。
・管理職員その他直属の上司については、適切な機会・手段を通じた対象職員の確実な把握、対象職員に対する育児に伴う休暇・休業の取得に係る情報提供及び取得の勧奨、取得計画の作成、取得状況の確認、取得期間中の体制の準備や業務分担の見直し等の業務面における環境整備等を評価対象とする。
・人事担当課の職員については、全職員に対する取得促進の取組に対する理解促進のための取組、適切な機会・手段を通じた対象職員の確実な把握、管理職員や対象職員に対する状況の確認や勧奨の実施等を評価対象とする。
・なお、これらの者に限らず、対象職員が休暇・休業を取得するに当たって、対象職員の業務を分担したり、業務の実施方法について工夫したりする等により、対象職員の休暇・休業中の業務の円滑な遂行に貢献した職員については、当該貢献を人事評価においても適切に評価することとする。

 今回の男性職員の育児休業取得については、このようにかなりの本気度を感じる内容となっています。こうした取り組みによって、徐々に男性も育児休業を当たり前のように取得する社会になっていくのかも知れません。


参考リンク
内閣府「国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針 令和元年12月27日」
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/w_lifebalance/pdf/kettei_honbun_r011227.pdf?fbclid=IwAR1alTkhCRy2_TuIiVtel2qvO6xWb3GKG0Bfd6wvpD5MdaXyeG9Qw8dV8mo

(大津章敬)