若手正社員の27.6%が転職を検討
まだまだ人材採用が難しい状況が続いており、既存従業員の定着が重要なテーマとなっています。そこで今回は、厚生労働省の平成30年「若年者雇用実態調査」の中から、若手従業員の転職意識について取り上げたいと思います。なおこの調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所で働く若年労働者(15~34歳の労働者)約30,000人を対象として実施されたもので、有効回答率は66.4%となっています。
・若年正社員が現在の会社から定年前に「転職したいと思っている」割合は 27.6%、「転職したいと思っていない」割合は 33.2%
・性別にみると、男では定年前に「転職したいと思っている」が24.7%、「転職したいと思っていない」が35.1%、女では定年前に「転職したいと思っている」が31.3%、「転職したいと思っていない」が 30.6%
・年齢階級別にみると、定年前に「転職したいと思っている」は「20~24歳」層が32.8%と他の年齢階級と比べて高い。
・定年前に転職したいと思っている若年正社員のうち、希望する転職年齢階級をみると男では「30~39歳」が 42.7%と最も高く、女では「29歳以下」が 44.0%と最も高くなっている。
このように若手従業員の転職意識は非常に高く、20代前半では3人に1人が転職を考えているという結果となっています。グラフは転職しようと思う理由の調査となっていますが、賃金や労働時間などの労働条件がトップ2となりました。しかし、詳細を見てみると、若手にはその傾向が強いのに対して、年齢が上がるほど、会社の将来性や自らの技能・能力が生かせるかといった点が問われる傾向が強まります。そういった傾向も理解した上で、従業員の定着を促進するような対策を進めましょう。
参考リンク
厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-h30.html
(大津章敬)