こんなところもキャッシュレス?
上海市には、上海駅、上海南駅、上海虹橋駅と、3つの高速鉄道駅があり、行先へのアクセスに応じて使い分けているのですが、そのうち上海駅は普通旅客鉄道の駅でもあり、古くから使われている駅でもあります。中国では、ターミナル駅周辺は様々な人々の「るつぼ」と化していて、スリ、置き引きなども多く、お世辞にも治安がよいとは言えません。そのため地価も中心地に比べ、さほど高くなく、駅周辺ではショッピングモールもあまり栄えないというジンクスがあって、その点、ターミナルを中心に商業地が発展する日本とは大きな違いがあります。上海でも数十年前、上海駅に隣接したところに日本投資の百貨店がオープンしましたが、ターゲットとした中産階層は上海駅にはあまり近寄らず、当時は貧困層が多いエリアだったため、そういう意味では明らかに狙った客層が違っており、あっという間に閉店してしまったことがありました。
そのような環境のエリアであるため、上海駅周辺ではホームレスも多く見かけます。ひと昔前は地べたにムシロを敷き、その上に座って空き缶を振ってお金を乞う所作をしていましたが、近年、中国はキャッシュレスが進み、最近のホームレスはなんと「QRコード」を差し出すということをしています。ということはあなた、スマホ持ってるだろ!?と、思わず突っ込みを入れたくなるほど、なんとなく緊張感のない上海の日常です。(清原学)