企業の備品横領→ネット売却というトラブルが増えています
新型コロナウイルスは世界的な大流行となり、国内でもまだまだ収束が見えない。
大熊社労士
おはようございます!
服部社長
大熊さん、おはようございます。それにしてもコロナウイルスの問題はなかなか収束しませんね。相変わらずマスクやアルコール消毒液は在庫不足のようです。当社としても従業員用に用意したいのですが、なかなか入手できないようです。
大熊社労士
そうですね。私もセミナーの際などに受講者のみなさんのために用意したいのですが、なかなか入手できず、困っています。
福島さん
やはりそうですよね。私もドラッグストアなどを覗いては、在庫を確認していますが、朝イチで入荷してもすぐに売り切れてしまうような状況が続いているようです。私は花粉症なので、新型コロナウイルスというよりも花粉症対策でマスクがないと困ってしまいます(涙)。
大熊社労士
花粉症の方には厳しい状況ですね。さてさて、こんな中、社内のマスク等を持ち帰り、ネットなどで売却して利益を得るトラブルが発生しています。
宮田部長
そうなんですか!それはけしからん話ですね。当社の場合は持って帰るマスクの在庫はほぼありませんが…。
大熊社労士
労働トラブルは時代や環境によって変化しています。例えば、少し前にあったバカッター問題。
福島さん
飲食店などで、アルバイトなどがふざけて不衛生な行動を行った動画をネットに上げて炎上したという問題ですね。
大熊社労士
はい、あれもスマホのカメラとtwitterなどのSNSが普及したことによって起こった新たな労働トラブルですよね。
宮田部長
確かに10年前であればあり得ませんでしたね。
大熊社労士
そうなのです。今回のマスクを持ち帰り、ネットで売却というトラブルもメルカリなどのフリマアプリの存在なくして語れません(その後、対策が取られ、現在は出品が制限されています)。誰もが少額の物品を手軽に換金できる環境となったことでこのような新たなトラブルが出てきたのだと思います。
服部社長
なるほど、備品の横領というのは昔からありましたが、個人的に使うものを持って帰るという程度だったのではないかと思います。しかし、現在は簡単に換金できるようになったので、大きなトラブルに発展するリスクが高まっているのですね。そう考えると、今回のマスクに限った話ではないということになるなぁ。
大熊社労士
そう思います。
宮田部長
具体的な対応としては、備品管理を徹底する必要がありそうですね。
大熊社労士
そうですね。管理ができていないが故に、結果的に従業員にそのような考えが浮かんでしまうことになるというのは避けなければなりません。無用なトラブルを防止する意味からは備品管理の徹底が必要でしょう。同時に改めて就業規則の服務規定において物品の私用持ち出しを禁止する旨の定めを明確化し、従業員に通知しておくとよいでしょう。横領については、金額の多少に関わらず、厳罰で臨むという方針も示すとよいと思います。
服部社長
当社ではそのようなことはないと思いたいですが、魔が差すということがないような環境を意識したいと思います。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
おはようございます。大熊です。労働トラブルは時代によって大きく変化します。就業規則は法改正に対応することは当然に必要ですが、それだけではなく、環境変化に対応し、随時見直しを行っていくことが重要です。問題が起こった際に対応するための就業規則ではなく、そもそも問題の発生を防止するための規定整備という意識も持って対応したいところです。
(大津章敬)