外国人労働者の賃金集計が初めてされた令和元年賃金構造基本統計調査

 厚生労働省は、令和2年3月31日、令和元年の賃金構造基本統計調査の結果を発表しました。今回は初めて、外国人労働者の賃金について区分を設け、調査が行われていました。その結果の概要は以下のとおりです。

<外国人労働者の賃金>
1.在留資格区分別にみた一般労働者の賃金
 一般労働者のうち外国人労働者の賃金は223.1千円。在留資格区分別では以下のとおり。

・専門的・技術的分野(特定技能を除く):324.3千円
・身分に基づくもの:244.6千円
・技能実習:156.9千円
・その他(特定活動及び留学以外の資格外活動):214.9千円

※参考:一般的労働者(短時間労働者以外の労働者) 307.7千円

2.在留資格区分別にみた短時間労働者の賃金
 短時間労働者のうち外国人労働者の1時間当たり賃金は1,068円。在留資格区分別では以下のとおり。

・専門的・技術的分野(特定技能を除く):1,882円
・身分に基づくもの:1,122円
・技能実習:977円
・留学(資格外活動):1,026円
・その他(特定活動及び留学以外の資格外活動):1,033円

※参考:短時間労働者 1,148円

 「専門的・技術的分野(特定技能を除く)」の在留資格については324.3千円と、日本人労働者も含めた全体の平均である「一般的労働者(短時間労働者以外の労働者):307.7千円」を上回っていますが、「技能実習」の在留資格は156.9千円であり、最低賃金の全国加重平均額が昨年の調査当時874円(現在は901円)であること、高卒の初任給統計が167.4千円であることからすれば、高卒初任給に満たず最低賃金に近い低水準であることがわかります。

<参考リンク>
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html