令和2年度の雇用保険料率はどうなりましたか?
新型コロナウイルスの感染者が東京で急増しており、状況の悪化を心配している大熊であった。
大熊社労士
おはようございます。週末の度に新型コロナウイルスの問題が大きくなっている印象を受けますね。
服部社長
昨日(2020年4月5日)の東京との新たな感染者数は143人と最多人数を連日更新し、報道によれば今日にも安倍首相は緊急事態宣言に向けた準備に入ることを表明する見通しという話も聞こえてきています。
福島さん
先週くらいからは身近でも感染者が発生などという話を聞くことがあり、さすがに怖くなってきました。ニューヨークのようになってしまうのではないかって。
服部社長
本当にそうだね。たぶんいま緊急事態宣言が出たとしても、多くの国民は当然と感じて、それほどパニックにはならないような気がするというくらいの状況だね。
大熊社労士
そうかも知れませんね。そういった社会的な雰囲気が醸成されるまで宣言を待ったのか、単に経済等への影響を懸念して決断できなかったのかは分かりませんが、数百年に一度と言っても過言ではない事態ですから、国民に強いメッセージを送る必要はあるのだと思います。
宮田部長
この週末もかなりの自粛ムードでしたからね。多くの国民も覚悟は決めているのではないかと思います。それにしてもここ2ヶ月くらいはコロナの話題ばかりで定例の実務の話がまったくできていませんね。
福島さん
そういえばそうですね。大熊先生、今年度の雇用保険料率ってどうなったのでしたっけ?
大熊社労士
本当にそういった話題ができないような雰囲気が続いていましたね。雇用保険法については年度末ギリギリの2020年3月31日に参議院で成立しました。その後、労働政策審議会 職業安定分科会雇用保険部会の答申を受け、令和2年3月31日告示第164号として、正式に令和2年度(2020年度)の雇用保険料率が示されました。その結果、以下のとおり、令和元年度から据え置きとなっています。
一般の事業 9/1,000
農林水産・清酒製造の事業 11/1,000
建設の事業 12/1,000
福島さん
据え置きなのですね。安心しました。
大熊社労士
はい、保険料率という点では特に変更は必要ありません。ただ今回の新型コロナウイルスで多くの雇用が失われることは避けられない状態になっていると思います。これまで雇用保険財政はかなり余裕がある状態でしたが、これまでの財源も今後、一気に給付に回ることになると思います。となると、来年度は久し振りに保険料率が上がることになるかも知れませんね。
服部社長
残念ながらそうかも知れませんね。この問題も早く収束し、1社でも多くの企業、1人でも多くの雇用が守られればよいと思っています。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
おはようございます。大熊です。今回は今年度の雇用保険料率について取り上げました。この件に関しては、既に厚生労働省からリーフレットが公開されているので、あわせて確認しておいてくださいね。
https://roumu.com/archives/101736.html
関連記事
2020年4月1日「令和2年度の雇用保険料率は令和元年度から据え置き~リーフレットも公開~」
https://roumu.com/archives/101740.html
2020年3月31日「【速報】改正雇用保険法が成立!2020年度の雇用保険料率は弾力条項の発動待ちに」
https://roumu.com/archives/101730.html
参考リンク
厚生労働省「第139回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10557.html
厚生労働省「雇用保険料率について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html
官報「令和2年3月31日(特別号外 第41号)」
https://kanpou.npb.go.jp/20200331/20200331t00041/20200331t000410000f.html
(大津章敬)