派遣元会社の休業手当の支払いと雇用調整助成金の利用

 新型コロナウイルス感染症の影響による会社の休業と、それに伴う雇用調整助成金の申請について大きな話題となっています。その影響は派遣労働者や派遣会社にも大きく、労働者派遣契約の中途解除等について話題となっています。

 厚生労働省でも「新型コロナウイルス感染症に伴う労働者派遣に関するQ&A」を公表し、派遣契約に関するトラブルを防ぐようにしています。

 このような中、昨日、新たに「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A
労働者派遣について」が公表されました。この中には、5つが掲載されており、そのうちの一つは、特に疑問を抱きやすい「派遣先から損害賠償を受けた場合の雇用調整助成金の利用」があり、以下のように示しています。


(派遣先から損害賠償を受けた場合の雇用調整助成金の利用)
問3 労働者派遣契約の期間中に派遣先の事業所が休業したり、派遣契約を解除された場合には、派遣労働者を休業させ、休業手当を支払う予定です。派遣先が労働者派遣法第29条の2に基づく休業手当分の費用負担をした場合も、雇用調整助成金は利用できますか。

答3
○労働者派遣契約の期間中に派遣先の事業所が休業したこと等に伴い、派遣元事業主が派遣労働者を休業させ、休業手当を支払った場合には、雇用調整助成金を利用することが可能です。
○また、労働者派遣契約の中途解除を行い、労働者派遣法第29条の2に基づく義務として、派遣先から派遣元事業主に対して休業手当相当額の費用支払いを行った場合であっても、派遣元事業主は、雇用調整助成金を利用することが可能ですが、そのような場合の費用負担については、労働者派遣契約等に基づき、派遣元事業主と派遣先との間でよく話し合ってください。


 派遣労働者に休業手当は、雇用関係のある派遣元となります。派遣労働者についてもかなり要件緩和をされている雇用調整助成金を利用する等して、雇用の安定をはかりたいものです。


参考リンク
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に伴う労働者派遣に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000088382_00006.html
(宮武貴)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/