中小企業の同一労働同一賃金への対応 目途が付いた企業は46.7%
大企業では今年4月1日に施行されたいわゆる同一労働同一賃金。新型コロナウイルスの問題と重なってしまったことで、完全に対応が後手に回っているような印象を受けますが、来春には中小企業も施行となります。そこで本日は、日本商工会議所ならびに東京商工会議所が実施した働き方改革関連法への認知度・準備状況に関する調査の結果を見ていきます。なお、この調査は全国47都道府県の中小企業4,125社を対象に実施したもので、回答率は68.8%となっています。
まず同一労働同一賃金の結果の概要を見てみましょう。
(1)名称・内容ともに知っている企業の割合は昨年の調査と比べ5.3ポイント増加し、73.4%。
(2)「対象になりそうな非正規社員がいる」と回答した企業のうち、待遇差について「客観的・合理的に説明ができる」と回答した企業の割合は33.1%にとどまる。
(3)「対象になりそうな非正規社員がいる」と回答した企業のうち、対応状況について、対応の目途がついている企業の割合は46.7%にとどまる。
(4)対応に際しての課題は、「同一労働同一賃金の内容が分かりづらい」が 50.1%、「増加した人件費を価格転嫁できない」が 49.2%。
また、「同一労働同一賃金」について講じた対応策や対応予定の方策の上位は「非正規社員の給与等の処遇改善」が47.5%、「賃金・人事制度の構築・見直し」が36.4%、「正規/非正規の業務内容・配置の見直し」が35.8%、「非正規社員の正社員化」が27.1%と上位になっています。まだまだ新型コロナウイルスの対応に追われているが現状だと思いますが、あと10カ月で法施行となりますので、夏頃からはその対応のペースを上げていくことが求められます。
参考リンク
東京商工会議所「「人手不足の状況、働き方改革関連法への対応に関する調査」の集計結果」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1022165
(大津章敬)