新型コロナ対策 介護有給休暇 妊婦特別休暇 最大100万円の助成金創設予定

 新型コロナウイルス感染症への対応として組まれている第二次補正予算案は、来週早々に国会に提出される予定で進んでいるようです。この補正予算案の中で注目されている点は、雇用調整助成金の上限額の引上げですが、予算案の中には、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により休業する妊婦のための助成制度(新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要な妊娠中の労働者のために、有給の休暇制度を設けて取得させる事業主を支援する新たな助成制度)も創設されることになっており注目しておきたいところです。

 これに関連して、2020年6月2日、厚生労働省で第28回労働政策審議会雇用環境・均等分科会が開催され、配布の参考資料として「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要」が示されています。その内容を確認すると、以下のとおりとなっています。


(1) 両立支援等助成金制度において、介護離職防止支援コース助成金制度として、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間における①の有給休暇について、①に該当する中小企業事業主に対して、②に定める額を支給するものとする。

①その雇用する被保険者について、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、家族の介護を行うための有給休暇(介護休業(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第24条第2項の規定により、同法第2条第2号に規定する介護休業の制度に準じて講ずることとされる措置に係る休業を除く。)、同法第16条の5第1項に規定する介護休暇及び労働基準法第39条の規定により年次有給休暇として与えられるものを除く。以下同じ。)を与えるための制度(休暇日数を合算した日数が20日以上であるものに限る。)を整備する措置及び当該制度その他の就業と介護の両立に資する制度をその雇用する労働者に周知させるための措置を講じている中小企業事業主であって、その雇用する被保険者に対して当該有給休暇を合計して5日以上取得させたもの

②次の①に該当する被保険者が取得した有給休暇の日数を合計した数の区分に応じて、それぞれ当該規定に定める額(当該被保険者の数が5を超える場合のイ又はロによる支給については、合計して5人までの支給に限る。)
 イ 10日未満被保険者1人につき20万円
 ロ 10日以上被保険者1人につき35万円


(2)両立支援等助成金制度において、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース助成金を創設し、①に該当する事業主に対して、②に定める額を支給するものとする。

①その雇用する被保険者であって、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第13条第1項に基づく措置(新型コロナウイルス感染症に関するものに限る。以下「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置」という。)として休業が必要な妊娠中の女性労働者(以下「対象被保険者」という。)について、令和2年5月7日から同年9月30日までの間に休暇(労働基準法第39条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、当該年次有給休暇について支払われる賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る。以下同じ。)を与えるための制度を整備する措置並びに当該制度及び新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容を労働者に周知させるための措置を講じている事業主であって、対象被保険者に対して、同年5月7日から令和3年1月31日までの間に当該休暇を合計して5日以上取得させたもの

②次の対象被保険者が取得した休暇の日数を合計した日数の区分に応じて、それぞれ当該規定に定める額(一の事業所につき、対象被保険者の数が20を超える場合のイ又はロによる支給については、当該事業所につき合計して20人までの支給に限る。)
 イ 20日未満 対象被保険者1人につき25万円
 ロ 20日以上 対象被保険者1人につき25万円に20日を超える20日ごとに15万円を加算した額(その額が100万円を超えるときは、100万円)

 詳細は二次補正予算が決定してからということにはなりますが、休暇制度を検討されている企業は参考にしながら取り組みを進めていくとよいでしょう。


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2020年5月28日「新型コロナ第二次補正予算案 雇用調整助成金の抜本的拡充をはじめとする生活支援で1兆9,835億円規模に」
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参考リンク
厚生労働省「第28回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11640.html
(宮武貴美)