コロナ感染予防への配慮と会社への信頼度の間に見られる相関関係

 コロナが働く人の意識を大きく変えているということは内閣府の調査などでも明らかになっていますが、今回、公益財団法人日本生産性本部が行った調査でも非常に興味深い結果が出ていますので、取り上げたいと思います。今回の調査は、非常事態宣言解除後の2020年7月6日~7日に、20歳以上の日本の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者等を除く)1,100名を対象に実施されたもの。

 今回注目したのが、今回のコロナによる勤め先への信頼の程度の変化です。5月の調査では8.5%であった「信頼していない」が11.7%に増加し、逆に「信頼している」「まずまず信頼している」がいずれも減少しています。今回の調査では、会社の健康への配慮度合いと、勤め先への信頼度に相関関係があることが分かりました。

 グラフを見ると分かりますが、「勤め先は健康に十分配慮している」という回答をしている層の87.5%が勤め先を「信頼している」もしくは「まずまず信頼している」と回答しています。これが健康への配慮度合いが低下すると、徐々に信頼度も低下し、「そう思わない」層に至っては、「信頼していない」「あまり信頼していない」が81.8%にも及んでいます。

 この結果から、今回のコロナに対する会社の対応の度合いが、今後のウィズコロナ・ポストコロナの時代に労使の信頼関係に大きな差異を生み出す可能性が高いと考えるべきでしょう。ちなみにこの調査では、テレワークをはじめとした柔軟勤務の導入が、健康配慮へのメッセージを目に見える形で伝えることができ、効果があると分析しています。

 ここに来て、連日、新規感染者数が過去最高を更新するような状況になっており、多くの従業員は不安感を高めています。今後、企業として社員の健康配慮を如何に進めるかは、重要な人事労務管理のテーマになっていくことでしょう。社員との関係性も踏まえ、積極的な取り組みを行いたいものです。


参考リンク
日本生産性本部「第2回 働く人の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/004518.html

(大津章敬)