新型コロナの通勤密対策には「時差出勤」がもっとも簡単ですよ

 この1週間で大都市圏を中心に新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しており、心配している大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます!
服部社長服部社長
 大熊さん、おはようございます。この連休はゆっくりされましたか?新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しているとあって、私は自宅でゴロゴロしていましたよ。
大熊社労士
 そうですね。私も外出は最低限にして、ほぼ自宅にいました。それにしても、また感染者が増加していますね、昨日も東京で239人、大阪で141人、愛知でも80人でしたからね。
宮田部長宮田部長
 福岡も90人だったようですしね。本当になにがあったのかっていうくらい急に増えていますよね。こんな状態ですから、当社でもなにか対策を取らなければいけないかと思っているところなのです。
大熊社労士
 確かにそうですね。報道によれば、国から経済界に対して、在宅勤務率を7割にするように要請をするとのことです。その上で、時差出勤の推進も申し入れるとのことです。
福島照美福島さん
 7割ということは第一波のピークのときのような水準ですね。また都心の景色が変わりそうです。当社の場合、在宅勤務を行うことができる社員は少ないので、現実的には時差出勤を導入するのがよいのでしょうか?
大熊社労士
 そうですね。御社の場合は社内での対策はかなりしっかりされていらっしゃいますので、感染が一番心配なのは通勤ではないかと思います。であるとすれば時差出勤で満員電車の時間を避けるようにすれば効果的でしょうね。
宮田部長
 大熊先生、時差出勤というのはフレックスのことですか?
大熊社労士大熊社労士
 間違えやすいのですが、時差出勤とフレックスは異なります。時差出勤は、1日の所定労働時間は変えず、始業・終業時刻を前後させる取り扱いのことを言います。具体例を出しましょうか。御社の始業時刻は午前9時、休憩を1時間挟んで、終業時刻は午後6時の8時間勤務ですよね。
宮田部長
 はい、その通りです。
大熊社労士
 午前9時に合わせて出勤しようとすると、電車は結構混雑していますよね?
福島さん
 はい、最近はほぼコロナ前の混雑に戻っていると思います。
大熊社労士
 そうですよね。時差出勤の場合、例えば午前8時始業・午後5時終業を早出、午前10時始業・午後7時終業を遅出とするようなイメージになります。
宮田部長
 それであればラッシュを避けられそうですね。1日も8時間のままなので、終業時刻を超えて働いた場合に残業にすればよいのですね?
大熊社労士
 そうなります。導入においても就業規則にその旨が規定されていればOKですので、簡単です。
服部社長
 よくわかりました。それでは宮田部長の方で具体的な運用方法を検討してください。
宮田部長
 承知しました。
大熊社労士
 御社ではこのように積極的に社員の感染予防に対応されていますが、これは社員の会社に対する信頼感にも大きな影響があるようなのです。
服部社長
 といいますと?
大熊社労士
 先日、日本生産性本部の調査で、今回の新型コロナウイルスに関して、従業員の健康配慮が十分にできていない企業は従業員の会社に対する信頼感が低く、十分に出来ている企業はその逆で信頼感が高いという結果が出たのです。
服部社長
 それは面白い結果ですね。当社では従業員の信頼を高めるべく、しっかりと社員の健康に配慮していこうと思います。

>>to be continued

大熊社労士のワンポイントアドバイス[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 おはようございます。大熊です。今日は時差出勤について取り上げました。1日の所定労働時間はそのままに始業・終業時刻をずらすという非常にシンプルな対応ですが、通勤電車の密対策としては効果的です。こうした対策が十分に行われていない会社では、従業員の不信も高まりますので、状況にあわせて柔軟に対応していきましょう。


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2020年7月24日「コロナ感染予防への配慮と会社への信頼度の間に見られる相関関係」
https://roumu.com/archives/103805.html

参考リンク
日本生産性本部「第2回 働く人の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/004518.html

(大津章敬)