企業規模別に見たテレワークの利用率 6月には多くの企業で取り止め

 新型コロナウイルス感染予防の対策として、多くの企業でテレワークが導入されました。先日公表された慶應義塾大学経済学部大久保敏弘教授・NIRA総合研究開発機構の「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」では、今回のテレワーク導入に関する詳細な調査が実施されており、非常に興味深い内容となっています。そこで今回はこの報告書の中から、テレワークの利用率の推移について取り上げましょう。

 テレワーク利用率を企業規模別にみると、概ね企業規模が大きい方が高いという結果になっています。グラフは企業規模別・月別の利用率の推移ですが、いずれも緊急事態宣言が出された4~5月に急増しており、中でも500人以上規模企業では40%を超えています。しかし、6月になるといずれの従業員規模も利用率が下がっています。

 この調査では、テレワークによる生産性低下というテーマも取り上げられていますが、現在、第二波ともされる感染拡大が進む中、感染防止のための対策が求められています。生産性を可能な限り維持した上で、感染を防ぐ取り組みが求められます。


参考リンク
慶應義塾大学経済学部大久保敏弘教授・NIRA総合研究開発機構(2020)「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
https://www.nira.or.jp/outgoing/report/entry/n200805_983.html

(大津章敬)