注目されるハンコの廃止等 規制改革推進会議の今後の動き
内閣府に「規制改革・行政改革ホットライン」(いわゆる「縦割り110番」)が設けられ、行政への情報提供や意見が求められているところですが、ここに寄せられた国民の声は、早急に規制・制度の見直しにつなげるともに、個々の案件について、答申のとりまとめを待たずに、できるものから早期に実現させることを政府は目指しています。
実際に、2020年10月7日に内閣府で開催された「第1回規制改革推進会議 議長・座長会合」の資料を確認すると、当面の審議事項として、いわゆるハンコの廃止を始めとした「新型コロナウイルス感染症拡大防止及び新たな生活様式に向けた規制改革」として以下のような内容があがっています。
2.新型コロナウイルス感染症拡大防止及び新たな生活様式に向けた規制改革
(1)書面規制、押印、対面規制の見直し
①行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直し
・全ての行政手続を対象として、書面・押印・対面の必要性を厳しく検証し、年内に省令・告示等の改正、年明けに一連の法改正を行う。
②民間における書面規制・押印、対面規制の見直し
・民間事業者間の手続についても、法令で書面・押印・対面を求めている規制の必要性を検証し、見直しを行う。
(2)オンライン診療・服薬指導、オンライン教育等の時限的措置の恒久化
・新型コロナウイルスの時限的措置として実施しているオンライン診療・服薬指導、オンライン教育について、デジタル時代に合致した制度として、恒久化を行う。飲食店等の道路占用許可基準等の緩和その他の時限的に実施されている措置についても、恒久化を行う。
(3)テレワーク推進の観点から、時間や場所に囚われない働き方の推進
・労働時間管理や労働環境などの労働関係の規制・制度について、テレワーク推進の観点からガイドラインで制度の取扱いや運用の明確化や柔軟化等を行う。
具体的な審議は今後始まることになりますが、(1)の①については、年明けの法改正を目指しており、スピード感を持った審議が予想されます。今後も審議の動向を注目していきましょう。
参考リンク
内閣府「第1回規制改革推進会議 議長・座長会合」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/coremeeting/20201007/agenda.html
(宮武貴美)