新入社員の入社後の満足度を上げる情報・下げる情報

 すべての企業は新入社員の定着と活躍を期待していますが、その成功要因はどこにあるのでしょうか?本日は株式会社マイナビが、2019年4月に入社の新入社員を対象として入社半年後の10月に実施した、入社企業への満足度や満足度に影響を及ぼす要因についての調査の結果から、その要因を見てみることにしましょう。

 今後の働き方に対する考えを聞いたところ、入社後に勤務先企業への満足度が「上昇したグループ」は「ある程度昇進して管理職として仕事をしていきたい」が高かった(上昇グループ:43.5%、下降グループ:31.8%、差11.7pt)のに対して、「下降したグループ」では「いいところがあれば転職してキャリアアップしたい」と考える割合が高い(上昇グループ:36.2%、下降グループ51.0%、差14.8pt)という結果が出ています。

 そして、この内定時から入社後の企業への満足度が上昇したグループには、「配属先への満足」「社員の印象と帰属感」「将来のキャリア展望」の実感が強いという相関関係が見られますが、そうした満足度の上昇・低下については、入社を決断するタイミングで得られた情報にも差があるようです。
(1)満足度が上昇したグループが得ていた情報
「社員の人間関係に関する情報」
「自分が成長できる環境があるか」
(2)満足度が下降したグループが得ていた情報
「企業経営の安定に関する情報」
「経営理念・企業理念」

 つまり、一般的な情報に基づき入社を決定した社員はその後のギャップを感じる傾向が強いのに対し、より具体的なインフォーマル情報まで入手した社員は満足度が上昇し、定着も促進されるということなのだと思われます。新型コロナの影響で、学生との効果的なコミュニケーションが難しい環境となっているだけに、自社のことを深く理解してもらえるような工夫が求められます。


参考リンク
マイナビ「入社半年後の影響分析~配属先への帰属感と将来のキャリア展望の重要性~」
https://www.mynavi.jp/news/2020/11/post_29023.html

(大津章敬)