コロナ禍により男性の47%が「もっと子育てにかかわろうという気持ち」に変化

 日本労働組合総連合会(連合)は、男性の育児等家庭的責任についての意識や実態を把握するため、「男性の育児等家庭的責任に関する意識調査」を2020年10月に実施し、その結果を公表しました。なおこの調査は、未就学の子どもがいる全国の20歳~59歳の働く人1,000名(男性500名、女性500名)の有効サンプルを集計したものとなっています。

 まずは、この調査結果のポイントとしては、以下のような内容となっています。

  1. 「育児休業」は女性の64.4%、男性では13.4%にとどまる。
  2. 「希望した日数どおり育児休業を取得できなかった」育児休業取得経験者の40.1%、男性では47.8%。
  3. 「取得したかったが取得できなかった」男性の31.6%、女性の24.7%
  4. 育児休業未取得の理由 男性回答1位は「仕事の代替要員がいない」、女性回答1位は「収入が減る」
  5. 「勤め先は育児休業を取得しにくい」43.4%、男性では57.6%

 本日は、この調査の中から、コロナ禍以降の子育て意識の変化について見てみることにしましょう。働き方改革の中でも男性の家事・育児時間を増やすことの重要性が述べられていますが、コロナ禍の中で、子育て意識が変化していることが明らかになりました。男女ともに子育てへの意識が高まっていますが、ここでは男性の意識の変化にフォーカスを当てたいと思います。男性の回答は以下のようになっています。
(1)もっと子育てにかかわろうという気持ち
  非常に強くなった 11.4% やや強くなった 36.6%
(2)配偶者・パートナーと協力して子育てしようという気持ち
  非常に強くなった 14.8% やや強くなった 34.8%
(3)周囲の力を借りながら子育てをしようという気持ち
  非常に強くなった 8.0% やや強くなった 26.4%
(4)子育て支援に関する制度をしっかり勉強し、使おうという気持ち
  非常に強くなった 9.0% やや強くなった 30.8%

 新型コロナウイルス感染症による生活の変化は、働き方や生き方に関する意識も大きく変えています。今回の新型コロナが、これまでの昭和型の働き方を大きく変容させるきっかけとなりそうです。


参考リンク
連合「男性の育児等家庭的責任に関する意識調査2020」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20201116.pdf

(大津章敬)