直近半年間で倍増するも当初想定には大幅未達である「特定技能」の在留外国人数(2020年9月末現在)

 法務省は、2020年11月20日、「2020年9月末の特定技能在留外国人数」を公表しました。法務省では、四半期ごとにその在留者数を公表してきていますが、今回の公表においては、2020年9月時点での特定技能の在留者数は8,769人となっています。 

 外国人労働者の新たな在留資格である「特定技能」制度は、2019年4月、人手不足の状況を解消するための施策として、大注目の中、導入がされました。特定技能制度は、これまでの規制を緩和し、人手不足が生じている一定の業界に限り、技能実習を修了した外国人や一定の試験(技能試験・日本語試験)に合格した外国人を就労目的で雇うことが認められる、という制度です。

 特定技能については、当初、制度導入から5年間で約34万人、初年度においても最大約4万人の受け入れが想定されていましたが、試験制度の準備不足などにより、体制が追い付いていない状況が続き、結果的には、初年度終了時点(2020年3月末時点)で、想定の10分の1程度である3,987人となっていました。

 今春以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による国際的な往来の中断、大幅縮小の影響も大きく受け、この半年間で倍増しているものの、当初の想定とはかけ離れた人数規模となっています。今後も新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、大幅に増加していくとは考えにくいでしょう。

<参考リンク>
法務省「特定技能在留外国人数の公表」
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00215.html