テレワークを継続している企業では生産性の向上が見られます

 連日、新型コロナウイルス感染症の感染者数が最多記録を更新している。まだまだ増加の予想がされていることを心配している大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます!
服部社長服部社長
 大熊さん、おはようございます。今日は急に寒くなりましたね。今週は初雪になるとか。いよいよ年末も近づいてきましたね。
大熊社労士
 本当に寒いですね。本格的な冬になると、新型コロナの感染拡大も心配になりますね。
宮田部長宮田部長
 そうですね。gotoに東京や名古屋を追加するという話が出ていますが、この週末も街中はかなりの人出だったようですからね。たぶん年末に向けて、増加を続けるのでしょうね。医療崩壊が本当に心配です。
大熊社労士
 本当にそうですね。このような状態ですので、再びテレワークへの関心が高まっています。そこで本日はイードは11月上旬に実施した「テレワークに関する調査 2020年秋」からテレワークの最新の実施状況について解説します。
宮田部長
 よろしくお願いします。
大熊社労士
 まずテレワークの実施状況ですが、4月と11月を比較すると以下のように減少しています。
4月 32.0%→11月 26.0%
服部社長
 やはり減っているのですね。緊急事態宣言の頃は、十分な準備がなくてもテレワークを実施しなければいけないような社会の雰囲気がありましたが、結果的に業務の生産性が落ちるなど、様々な問題が出ましたからね。
大熊社労士
 そうなのです。この生産性の低下がテレワーク減少の最大の原因だったと思うのですが、その後もテレワークを継続している企業では生産性の向上が見られています。「テレワークで業務を行う際の生産性」についての質問について、4月と11月では以下のような変化が表れています。
とても生産性が上がった 4.7%→6.9%
生産性が上がった 13.3%→22.7%
どちらともいえない 52.1%→50.2%
生産性が下がった 21.0%→17.1%
とても生産性が下がった 8.8%→3.2%
福島さん
 「とても生産性が上がった」と「生産性が上がった」の合計で見ると、18.0%が29.6%に上昇していますね。逆に「生産性が下がった」と「とても生産性が下がった」の合計は29.8%が20.3%に減少しています。
大熊社労士大熊社労士
 そうですね。この要因にはいろいろなものがあると思います。4月は十分な準備の時間もなく、従来の社内での業務をそのまま自宅に持ち帰ったという事情や、そもそもテレワークに馴染まないような仕事も多かったという根本的な問題もあったと思います。ですから、そういった仕事が職場に戻ったことで、結果的に生産性が下がったという回答が減少したのでしょう。
服部社長
 それは間違いないでしょうね。当社もそんな感じでしたから。
大熊社労士
 一方で、テレワークを行う体制が整備されたり、従業員自身がテレワークを行うコツを掴んできて、文字通り、生産性が向上したという要素もあると思います。こうした企業は競争力が高まりますね。
服部社長
 本当にそう思います。今後、更なる感染拡大となった場合でも生産性を落とすことなく業務を継続できるというのは大きいですね。
福島照美福島さん
 社長、新型コロナだけではないですよ。もしかすると今週、大雪で交通機関が混乱して、社員が安全に出勤できないような事態も想定されるかも知れません。また大規模な地震などもあり得ます。そういった天災の際のBCPとしても大きな意味がありますね。当社でも積極的に取り組みませんか?
服部社長
 そうだな。宮田部長と一緒に再検討し、提案してくれないか?
福島さん
 わかりました!

>>>to be continued

大熊社労士のワンポイントアドバイス[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 こんにちは、大熊です。テレワークは生産性が落ちるのでやめてしまったという企業が多いのではないかと思います。しかし、冷静に考えれば、あの緊急事態宣言のタイミングではほとんど準備もできていなかった訳ですから、生産性が落ちるのは当然。そこからどう改善し、体制を整備するかがポイントとなります。現実的にはBCPだけでなく、人材の採用や定着にも大きな意味がありますので、改めてニューノーマルの働き方として、効果的な運用を検討したいものです。


参考リンク
イード「テレワークに関する調査 2020年秋」
https://u-site.jp/survey/telework-4

(大津章敬)