男性の育児休業の取得促進 来年(2021年)の通常国会にも改正法案提出へ
2020年12月14日に開催された全世代型社会保障検討会議において、全世代型社会保障改革の方針(案)が示されました。その中で、少子化対策としては(1)不妊治療への保険適用等、(2)待機児童の解消、(3)男性の育児休業の取得促進という3つのテーマの方針が定められていますが、今回は人事労務管理の観点から注目を集める「男性の育児休業の取得促進」について見てみることにしましょう。
男性の育児参加を進めるため、今年度から男性国家公務員には1か月以上の育児休業の取得が求められていますが、今後は民間企業でも男性の育児休業の取得が促進されます。具体的には、事業主に以下の事項が義務付けられる方向となっています。
- 出生直後の休業の取得を促進する新たな枠組みの導入
- 本人または配偶者の妊娠・出産の申出をした個別の労働者に対する休業制度の周知の措置の導入
- 研修・相談窓口の設置等の職場環境の整備等
その他、男性の育児休業取得率の公表を促進することも検討するとしています。
なお、この方針案は近く閣議決定される予定となっており、その後、労働政策審議会において結論を取りまとめ、2021年の通常国会に必要な法案が提出することが予定されています。男性の育児休業については、若手労働者を中心にその取得意向が高まっていますので、遠くない将来には男性も当たり前に育児休業を取得するような環境になっているかも知れません。
参考リンク
首相官邸「全世代型社会保障検討会議(第12回)配布資料 令和2年12月14日(月)」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai12/siryou.html
(大津章敬)