WLB、副業、地方移住など、新型コロナで大きく変わる20代の価値観

 いよいよ年末が近づき、今年の振り返りをしていた大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます。今朝は本当に寒いですね。
服部社長服部社長
 大熊さん、おはようございます。本当に寒いですね。この週末は大雪により関越自動車道で車の立ち往生が発生するなど、とんでもない寒気がやってきましたね。
大熊社労士
 そうですね。まあよく考えれば今週はクリスマスですからね。寒いはずですよ。さてさて、新型コロナの感染も再び拡大していますが、御社では陽性者などは出ていらっしゃいませんか?
宮田部長宮田部長
 はい、まだ大丈夫です。ただ今日も、社員のお子さんが通っている保育園で陽性者が発生したということで、総務はばたばたしていたところです。すぐ身近にまで感染が広がっていると感じますね。
大熊社労士
 本当にそうですね。最近は少し社員数が多い企業ですと、複数名、陽性者が発生しているような状態です。本当に私も気を付けないといけないと感じています。
福島照美福島さん
 私も子供を保育園に預けているので、もうドキドキですよ。保育園なんて、すごい濃厚接触ですからね。陽性者が出たりしたら、子供を預けることができなくなって、直ちに仕事に影響が出てしまいます。もっともいくらかは在宅勤務でもできるようにはなっていますけれども。
大熊社労士
 そうですね。さて、いま在宅の話が出ましたが、今回のコロナによる在宅勤務の普及によって、従業員の意識も大きく変わってきています。本日はその傾向を見られればと思います。
服部社長
 よろしくお願いします。
大熊社労士
 はい。今回は、パソナ総合研究所が新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言中に在宅勤務を経験した三大都市圏の方々を対象に2020年10月に実施した「コロナ後の働き方に関する調査」の結果をご紹介します。この中で面白いのが「在宅勤務を行った結果、仕事と仕事以外の生活のバランスについての意識に変化はありましたか」という設問です。
福島さん
 要はワークライフバランスへの意識ですね。
大熊社労士大熊社労士
 そのとおりです。これによれば、全体の46.1%が「仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった」と回答しており、「仕事の重要性をより意識するようになった」の10.6%を圧倒しています。さらにこの傾向は若手の方が顕著で、20歳台については55.2%、30歳代においては49.5%が「仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった」と回答しています。
服部社長
 そうなのですね。確かに家族と過ごす時間が増えたのでそう感じる傾向が強まったのでしょうね。
大熊社労士
 そういうことだと思います。ちなみに、20歳代の従業員はその他にも様々な意識に大きな変化が見られます。例えば、「在宅勤務中に資格取得やスキルアップなどの研修意欲は高まりましたか」という設問に対しても、19.3%が「意欲が高まり実際に開始した」、33.5%が「意欲は高まり具体的に計画中」と回答していますが、これは他の年代を圧倒しています。
福島さん
 あ~、これは同年代としてよくわかります。
大熊社労士
 また、20歳代は「近い将来の転職を検討し始めた」でも男性が32.7%、女性が32.4%がそうだと回答しています。「新たに副業を開始ないし検討し始めた」でも男性はなんと33.7%、女性は17.6%がそうだと回答しています。
服部社長
 20代男性の3人に1人が副業に高い関心があるということですか。
大熊社労士
 そうですね。このように見ると20代の社員は、コロナによってその価値観が大きく変わったと言うことができるのでしょう。この影響は今後、徐々に出てくるのではないかと感じています。
服部社長
 本当にそうですね。当社もこうした意識の変化に対応し、人事諸制度の見直しを検討していきたいと思います。
 
>>>to be continued

大熊社労士のワンポイントアドバイス[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 こんにちは、大熊です。本日は、新型コロナの影響による意識の変化についての調査結果を取り上げましたが、予想以上の結果だったのではないでしょうか?本編では取り上げませんでしたが、「コロナ禍と在宅勤務を契機に地方移住への関心は変わりましたか」という設問についても、20歳代は11.3%が「関心が高くなった」、33.0%が「関心がやや高くなった」と回答するなど、他の年代とは大きく異なる反応を見せています。若いから考えが柔軟ということもあるでしょうし、素直で影響を受けやすいともいえるのかもしれませんが、従来とは大きく異なった価値観を持っているということをしっかりと認識して、コミュニケーションを取ることが重要だといえるでしょう。


参考リンク
パソナ総合研究所「コロナ後の働き方に関する調査」
https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=3680&dispmid=798

(大津章敬)