不安を抱えながらも回復に向かう愛知の雇用情勢

 新型コロナの発生以降、悪化が続いていた雇用情勢ですが、回復傾向が見られるようになりました。

 愛知労働局が昨日公表した「令和2年11月分 最近の雇用情勢」によれば、愛知の有効求人倍率(季節調整値)は対前月 同水準の1.02倍となりました。1年目の2019年11月の有効求人倍率は1.86倍でしたが、それ以降、低下を続け、9月には1.01倍となりましたが、それ以降は2か月連続1.02倍となっています。全国の有効求人倍率も前月比+0.02ポイントの1.06倍となっており、雇用情勢の悪化も底を打ったと見ることができそうです。

 愛知においては雇用情勢の先行指標である新規求人倍率が対前月+0.14ポイントの1.99倍となるなど急上昇していることは好材料であると言えるでしょう。もっとも多くの雇用を支えてきた雇用調整助成金は来年3月以降、縮小の方向性が示されており、また2020年12月26日の記事「来春までに約2割の企業が人員削減の可能性ありと回答」で取り上げたように多くの企業で人員削減の可能性が高まっていることを勘案すると、年明けの雇用には不透明感が残ります。


関連記事
2020年12月26日「来春までに約2割の企業が人員削減の可能性ありと回答」
https://roumu.com/archives/105527.html

参考リンク
愛知労働局「令和2年11月分 最近の雇用情勢」
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/000780586.pdf
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年11月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00049.html

(大津章敬)