ニューノーマルの仕事を通じて強まる「通勤時間」や「仕事付き合いの飲み会」を無駄と感じる傾向

 新型コロナの感染拡大により、昨年はテレワークが一気に普及しました。その後、生産性低下の問題などもあり、企業によって対応が大きく分かれていますが、従業員はテレワークをどのように捉えているのでしょうか?今回は昨年11月にBIGLOBEが実施した「2020年に関する意識調査」の内容を取り上げたいと思います。なお、この調査は、全国の20代~60代の男女1,000人を対象にアンケート形式で実施されたものです。

 「在宅勤務が広がってよかったと感じるか」という質問については、「そう思う」が38.2%、「ややそう思う」が46.5%と、8割以上が在宅勤務が広がってよかったと感じると回答しています。年代別に見ると、20代・30台は約9割が肯定的に評価する一方、40代は8割、50代は7割強と年代が上がるにつれて減少傾向が見られています。

 また、「新しい生活様式での仕事のやり方を経験し、これまでは当たり前だったが無駄である・意味がないと感じたもの」についての質問に対しての回答は以下のようになっています。
通勤時間 35.4%
仕事付き合いの飲み会 31.1%
ハンコ 27.7%
紙の書類 20.7%
オフィス 14.2%
出張 14.0%
商談・打ち合わせでの訪問 13.0%
同僚との雑談 7.4%
診察 2.6%
あてはまるものはない 35.4%

 こちらに関しては、年代別での集計がされていないのでわからないところもありますが、若い世代であればあるほど、こうしたものを無駄であると捉える傾向は強いと想像されます。3人に1人以上が通勤時間の無駄を感じるようになったということは、テレワークの有無や通勤時間の短さが会社選びの重要な条件になってくることは確実でしょう。

 また仕事付き合いでの飲み会についても無駄と考える傾向が強まったことは、社内におけるコミュニケーションのあり方も大きく変化してくることに繋がります。かつての飲ミュニケーションというコミュニケーションはより一層敬遠されることになると予想されます。中高年の管理職が率先して変わって行かなければ、組織マネジメントにも支障を来す時代となっていくのではないでしょうか。


参考リンク
BIGLOBE「2020年に関する意識調査」
https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2020/12/201225-1

(大津章敬)