今春施行の70歳までの就業機会確保に関する努力義務 65%の企業が対応予定と回答
今年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会確保に関する努力義務が課せられます。この法改正に対して、企業はどのように対応するのでしょうか?そこで今回はマイナビが実施した「マイナビ 人材ニーズ調査」の中から、この改正への対応状況についての結果を見てみることとします。なお、この調査は、2020年12月に実施されたもので、回答数は2,061名(企業分類/上場 603名・非上場 1,458名|製造 601名・非製造1,460名、企業規模/300人未満 1,096名・300~999人 400名・1,000人以上 565名)となっています。
これによれば、2021年4月に施行される「70歳までの就業機会確保(改正高年齢者雇用安定法)」の努力義務に関する2021年4月1日の段階での対応予定は以下のようになっています。なお、( )内は300人未満企業の結果です。
11.2%(8.7%) 70歳までの定年引上げ
22.4%(19.2%) 70歳までの継続雇用制度の導入(自社にて継続雇用、再雇用制度含む)
6.4%(4.4%) 70歳までの継続雇用制度の導入(特殊関係事業主、他の事業主にて継続雇用)
5.6%(7.2%) 定年廃止
15.3%(14.9%) 希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度を導入
4.1%(4.0%) 希望するときは、70歳まで継続的に事業主が実施・委託・出資する社会貢献事業に従事できる制度の導入
35.0%(41.7%) いずれの対応も行わない予定
今回は努力義務ですのであまり積極的な対応を行わない企業が多いと予想していましたが、「いずれの対応も行わない予定」という回答は35.0%にとどまっており、「70歳までの継続雇用制度の導入(自社にて継続雇用、再雇用制度含む)」が22.4%に上っています。300人未満企業においては若干反応は低調ですが、それでも約6割の会社がなんらかの対応を進めているという結果となっています。
この結果は、日ごろ、多くの企業の人事労務管理の状況を見ている筆者からすると若干違和感がありますが。それでも予想以上に対応を検討している企業が多いことが分かります。高齢者雇用は、こうした法改正だけでなく、長澤運輸事件最高裁判決以降の均等均衡待遇の対応においても重要性が増していますので、今後数年間、大きなポイントとなっていくことでしょう。
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2020年11月2日「70歳までの就業確保 来年4月から努力義務へ」
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2020年11月1日「パンフレット:高年齢者雇用安定法改正の概要」
https://roumu.com/archives/104932.html
2020年11月1日「パンフレット:改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行されます」
https://roumu.com/archives/104927.html
参考リンク
マイナビ「マイナビ 人材ニーズ調査」
https://www.mynavi.jp/news/2021/01/post_29467.html
(大津章敬)