今後も上昇することが想定されるパートタイム労働者比率

 先日、厚生労働省から「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の結果」が公表されました。この調査は、正社員および正社員以外の労働者のそれぞれの就業形態について、事業所側、労働者側の双方から意識面を含めて把握することを目的として実施されるものです。事業所調査の調査結果のポイントとしては以下のような内容になっています。

 3年前と比べて正社員以外の労働者比率が上昇した事業所は16.2%、低下した事業所は14.6%となりました。正社員以外の労働者比率が上昇した事業所について、比率が上昇した就業形態(複数回答)をみると、パートタイム労働者が63.0%、次いで嘱託社員(再雇用者)が22.8%となっています。パートタイム労働者については、今後も比率が上昇すると思われる比率が62.4%と高くなっており、同一労働同一賃金が全事業主に施行されることになる一方で、多くの企業で非正規労働者の活用は続くことが予想されます。

 なお、正社員以外の労働者を活用する理由(複数回答)をみると、「正社員を確保できないため」とする事業所割合が38.1%(前回27.2%)と最も高く、前回に比べて上昇している。次いで、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が31.7%(前回32.9%)、「賃金の節約のため」が31.1%(前回38.6%)となっており、これらの理由の事業所割合は、前回に比べて低下する結果となりました。

 調査は令和元年10月1日現在の状況のため、新型コロナウイルス感染症の拡大前のため、現時点とは状況が変化しているかとは思いますが、人材不足感があったことがわかることが見て取れます。


参考リンク
厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/19/index.html
(宮武貴美)