廃止を検討する企業が急増する通勤手当と配偶者手当

 人事制度は環境の変化に対応し、見直しが行われますが、本日は最近、見直しが進められる通勤手当と配偶者手当の状況について、産労総合研究所の「第8回 人事制度等に関する総合調査」の中から見てみることにしましょう。本調査では、過去5年以内に「廃止した制度」について調査が行われています。
(1)通勤手当
制度なし 1.2%
廃止した 1.8%
検討中 20.1%
見直し予定なし 76.8%
(2)配偶者手当
制度なし 13.4%
廃止した 8.5%
検討中 15.9%
見直し予定なし 62.2%

 制度なし+廃止した+検討中の合計で見ると、通勤手当は23.1%、配偶者手当は37.8%となっています。特に配偶者手当は、共働き世帯の増加でその意義が問われており、更には同一労働同一賃金の観点でも見直しを検討している企業が多いことからこのような結果になっているのではないかと思われます。

 手当の廃止はいわゆる不利益変更に該当しますので、労使で十分に議論した上で、移行措置や代償措置の実施なども検討するようにしましょう。


参考リンク
産労総合研究所「第8回 人事制度等に関する総合調査」
https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_2102.pdf

(大津章敬)