無期転換ルールと多様な正社員制度に関する厚生労働省検討会がスタート

 昨日(2021年3月24日)、厚生労働省において、多様化する労働契約のルールに関する検討会の第1回が開催されました。

 この新たな検討会では、以下の論点について議論が行われます。
1 無期転換ルール関係

  1. 無期転換を希望する労働者の転換申込機会の確保
  2. 無期転換前の雇止め
  3. 通算契約期間及びクーリング期間
  4. 無期転換後の労働条件
  5. 有期雇用特別措置法の活用状況
  6. その他

2 多様な正社員関係

  1. 雇用ルールの明確化
  2. その他

3 その他

 無期転換については、無期転換申込権が発生する5年の直前での雇止めに関するトラブルが増加するなどここに来て、新聞などでも話題になることが増えています。今回の検討会では、法施行後、初の本格的な法改正に向けた議論が行われることになります。一方、多様な正社員についても、ジョブ型の議論が積極的に進められる中で、注目の内容となることでしょう。

 検討会では、今後、ヒアリングや実態調査などを行った上で、秋以降に報告書が取りまとめられることになっています。順調にいけば、来年の通常国会でなんらかの改正法案が審議されることになるでしょう。働き方改革関連法は今春の改正パート有期労働法の施行(中小企業の同一労働同一賃金)で一段落という感じでしたが、雇用環境の変化もあり、今後も労働関係法の改正は続くことが予想されます。


参考リンク
厚生労働省「多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17519.html

(大津章敬)