若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」の改正

 若者の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、若者の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずる「青少年の雇用の促進等に関する法律」(若者雇用促進法)が、2015年10月1日から順次施行されています。

 若者雇用促進法では、「事業主等指針※」を定めることになっており、先日、この指針が改正されました。今回の改正で、近年問題となった留意事項について、事業主等が講ずべき措置を新たに定めたもので、主に以下の4つが追加されました。

・募集情報等提供事業者・募集者等における個人情報の管理
 募集情報等提供事業者は、職業安定法に基づく職業紹介事業者等指針第4に基づき、求職者等の個人情報を適切に取り扱うこと。また、募集者等についても同様とすること。

・就活生等に対するハラスメント問題への対応
 事業主は、雇用する労働者が、就職活動中の学生やインターンシップを行っている者等に対する言動について、必要な注意を払うよう配慮すること等が望ましいこと。
 事業主は、パワーハラスメント指針等に基づき、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント並びに妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントの防止のため、雇用管理上の措置を講ずること。

・内定辞退等勧奨の防止
 採用内定者について、労働契約が成立したと認められる場合には、当該採用内定者に対して、自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨は、違法な権利侵害に当たるおそれがあることから行わないこと。

・公平・公正な就職機会の提供
 採用内定又は採用内々定と引替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等の青少年の職業選択の自由を妨げる行為等については、青少年に対する公平・公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長期化する中で、新卒の採用抑制や内定取消しが問題になりやすい時期です。改正点はもちろん、その他の指針の内容も確認しておきましょう。

※「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)


参考リンク
厚生労働省「若者雇用促進法に基づく「事業主指針」を改正しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00014.html
(福間みゆき)