過去3年間にパワハラを受けた経験がある労働者は31.4%

 先日、厚生労働省から「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書(以下、「報告書」という)が公表されました。この報告書は厚生労働省委託事業として進められたものであり、2016年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられることから、2020年10月に、全国の企業と労働者等を対象として実施されたものです。

 報告書では「過去3年間にパワハラを受けた経験」がある労働者が31.4%になっており、セクハラの10.2%、顧客等からの著しい迷惑行為15.0%と比べ、かなり多くなっています。パワハラを中心に、ハラスメント全般に対する対策をとることが企業として重要であることに変わりはありません。

 一方で、企業がハラスメントの取組を進める上での課題としては、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」(65.5%)の割合が最も高く、次いで「発生状況を把握することが困難」(31.8%)が高いという結果になっており、状況や行為者と被害者の関係性によってハラスメント行為と位置づけづらいものが多くあることに、企業も対策の難しさを感じていることが想像されます。

 厚生労働省はこの調査結果等を踏まえ、引き続き職場のハラスメントの予防・解決に向けた施策を実施していくことにしています。


参考リンク
厚生労働省「「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html
(宮武貴美)