様々な角度から一層の適用促進が進められる社会保険未加入対策
日本年金機構は、日本年金機構法に示された基本理念を実現するため、厚生労働大臣から示された中期目標に基づき、中期目標を達成するための計画(中期計画)と各事業年度の業務運営に関する計画(年度計画)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けています。
この年度計画は、日本年金機構のホームページで公開されており、令和3年度の年度計画では、社会保険の未適用事業所の適用促進対策として、未適用事業所の更なる解消に向けて以下の施策を掲げています。
1.適用促進に当たっては、国税源泉徴収義務者情報に加え、雇用保険被保険者情報、法人登記簿情報等を活用する。
2.各種の情報により5人以上または家族以外の従業員を雇用している蓋然性が高い適用調査対象事業所(以下「5人以上等事業所」という。)については、引き続き、適用に向けて重点的に取り組むこととし、特に、令和2年度行動計画策定時に、すでに判明している5人以上等事業所については、徹底した対応を行い、令和3年度末までの適用を目指す。
なお、これらの事業所への対応に当たっては、適用すべき事業所である蓋然性が高い適用調査対象事業所であって、加入指導によっても適用に応じない事業所に対する立入検査の効果的な活用を図る。
3.上記2以外の法人事業所についても、引き続き、丁寧に加入指導を進め、適用につなげる。なお、取組の強化を図るため、関係団体等と連携し、制度周知・適用勧奨に重点的に取り組む。
4.加入勧奨等によっても未だ実態確認に至っていない法人事業所の実態解明を促進し、適用を図る。
特に、令和2年度行動計画策定時点で実態確認に至っていない法人事業所については、令和3年度末までに実態解明することを目指し、5人以上等事業所と判明した法人事業所については、早期に適用を進め、遅くとも令和5年度末までの適用を目指す。
5.被保険者へのアプローチとして、一定以上の所得があり未納が継続する国民年金被保険者等への就労状況調査を進め、厚生年金保険の適用の可能性がある事業所の適用を進める。
このほかにも事業所調査による適用の適性化対策も掲げており、調査対象の選定として、以下の事業所は最優先の対象として必ず実施するとしています。
・一定期間以上の遡及又は大幅な報酬変更等の届出があり特に確認が必要な事業所
・被保険者等から通報が行われた事業所
・一定以上の所得があり未納が継続している国民年金被保険者等への就労状況調査により、適用の可能性がある従業員がいると考えられる事業所
・法務省出入国在留管理庁から提供される特定技能外国人情報により判明した未適用の外国人就労者を使用する事業所
社会保険の未加入に対する調査は、様々な角度から進められることになります。社会保険が未加入となっている場合や社会保険の適用が適正に行われていない場合は、早急に対応していくことが求められます。
参考リンク
日本年金機構「日本年金機構年度計画」
https://www.nenkin.go.jp/info/johokokai/disclosure/nendokeikaku.html
(福間みゆき)