2年ぶりに公表された2021年度の労働経済白書
先日、厚生労働省から「令和3年版労働経済の分析」(労働経済白書)が公開されました。この白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析されたものであり、今回で72回目の公表となりました。
今回の白書の特徴は、新型コロナウイルス感染症が労働経済に大きな影響を与えたことなどを踏まえて、令和2年度の労働経済白書の作成を見送られ、令和3年版は、2019年と2020年の2年間を対象に分析を行っていること。そして、新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響について、さまざまな観点から分析が行われていることです。その白書の主なポイントは以下の通りとなります。
・感染拡大による雇用への影響は、「宿泊業,飲食サービス業」をはじめとした産業を中心に、女性の非正規雇用労働者等で大きかったが、特例を講じた雇用調整助成金等により2020年4~10月の完全失業率は2.6%ポイント程度抑制されたと見込まれる。
・労使双方へのアンケート調査を用いた分析によれば、医療や介護など、感染拡大下においても業務の継続が不可欠な分野で働く方々が意欲を持ち充実した形で働き続けるために、感染防止対策、人員体制の強化、柔軟な働き方の実施などの取り組みが重要である。
・同様に、労使双方へのアンケート調査を用いた分析によれば、テレワークの定着のためには、企業によるマネジメント上の工夫や、テレワーク時の環境の整備などの取り組みが重要である。
様々なデータが分析されてまとめられています。新しい取り組みを企業内でするときの世の中の状況把握等にも役立つものですので、どのような内容が掲載されているかを確認しておくと、参考になるかもしれません。
参考リンク
厚生労働省「「令和3年版 労働経済の分析」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19846.html
(宮武貴美)