自転車配達員やITフリーランスも対象となる労災保険の特別加入制度

 コロナ禍で生活様式が大きく変わり、特に休業や時短要請が行われた飲食業では、テイクアウトのサービスやデリバリーのサービスを導入する店舗が急増しました。これに伴い、自転車や原動機付自転車を使った飲食物等のデリバリーサービスの途中で交通事故に遭うといった問題が大きくなっていました

 この配達員について直接雇用している場合では事故に対し、労働者災害補償保険(労災保険)が利用できることになりますが、配達員がフリーランスとして働く場合等では、公的な補償が行われません。そのため、先日、労働者災害補償保険法施行規則の一部が改正され、原動機付自転車や自転車を使用して行う貨物の運送の事業が労災保険の特別加入制度の対象者として追加されました

 また、これと同時に、情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業を行うフリーランスも特別加入制度の対象者に追加されています

 施行日は2021年9月1日であり、労災保険率は「原動機付自転車や自転車を使用して行う貨物の運送の事業」が1,000分の12、「情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業」が1,000分の3です。


参考リンク
官報「令和3年7月20日(号外 第168号)」
https://kanpou.npb.go.jp/20210720/20210720g00168/20210720g001680000f.html
厚生労働省「第98回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19337.html
(宮武貴美)