会社が産業医に提供すべき従業員の情報
職場で従業員の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠です。この従業員の健康管理等を行う一人が産業医であり、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場において、産業医の選任義務が課せられています。そして、産業医が健康管理等を適切に行うために必要な情報を会社は提供しなければならないとされています。
会社が産業医に提供する情報には以下のようなものがあります。
1.以下の実施後に既に講じた措置または講じようとする措置の内容
・健康診断
・長時間労働者に対する面接指導
・ストレスチェックに基づく面接指導
※措置を講じない場合は、その旨・その理由
2.時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超えた従業員の氏名・超えた時間に関する情報
3.従業員の業務に関する情報であって産業医が従業員の健康管理等を適切に行うために必要と認めるもの
これらの情報提供の時期は以下のとおりです。
1.それぞれの結果についての医師または歯科医師からの意見聴取を行った後、遅滞なく
2.1ヶ月当たり80時間を超えた時間の算定を行った後、速やかに
3.産業医から情報の提供を求められた後、速やかに
従業員に情報提供することで、従業員のより適切な健康管理につながります。特に時間外労働等の時間の提供については、2019年4月から始まったものであり、実施していない会社もあるかもしれませんので、今一度確認してみるとよいでしょう。
参考リンク
厚生労働省「働き方改革関連法により2019年4月1日から「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます」
https://www.mhlw.go.jp/content/000496135.pdf
(宮武貴美)