最低賃金の大幅引き上げで最賃割れが急増 その対応は?

 今月より最低賃金の引き上げが行われておりますが、新型コロナの感染拡大で極めて少額の引き上げに止まった昨年とは異なり、今年は前年度比28円増加という過去最大の引き
上げ額となり、多くの企業でその対応が求められているところです。

 実務を行っている肌感覚でも今年は最低賃金割れの従業員の対応に関する相談が多いと感じていましたが、本日はリクルートジョブズリサーチセンターが公表した「2021年度 最低賃金改定影響に関する調査レポート」の結果から、それをより定量的に把握してみたいと思います。なお、この調査は、同社が毎月調査発表している「アルバイト・パート募集時平均時給調査」等の調査データを利用して、まとめられたものです。

 これによれば、10月の最低賃金額改定前の8月時点で、改定後の最低賃金額を下回る求人原稿の割合を確認してみると、以下のようになっています。
全国   24.7%
北海道  29.3%
東北   26.3%
北関東  18.2%
首都圏  22.7%
甲信越・北陸 18.8%
東海   34.8%
関西   22.6%
中国・四国 20.3%
九州   22.1%

 このように全国平均では24.7%の求人で最低賃金割れとなる水準の求人を出しており、今回、その引き上げが求められるということになります。ちなみに2016年の数値は17.1%、昨年は5.3%でしたので、今回の引き上げはかなり多くの企業に影響を与えていることが分かります。

 ちなみに業種で見てみると、もっとも数値が高いのは「販売・サービス系」で35.5%。次いで「フード系」26.6%、「「製造・物流・清掃系」25.1%となっています。

 最低賃金が上昇した分を一律にベースアップをするとかなりの人件費増になり、一方で最低賃金割れする従業員だけ引き上げると、最低賃金に多くの従業員が並ぶことになる。こんな相談を多く受けています。一般的には、最低賃金に近い時給の者について傾斜的に引き上げを行うことが多いのではないかと思いますが、今月より発効しておりますので、確実な対応を進めていきましょう。


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2021年9月30日「みんなチェック!最低賃金。」
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2021年9月9日「2021年度の地域別最低賃金が出そろいました」
https://roumu.com/archives/109118.html

参考リンク
リクルートジョブズリサーチセンター「2021年度 最低賃金改定影響に関する調査レポート」
https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20210929_1839.html

(大津章敬)