いよいよ始まったマイナンバーカードの健康保険証利用

 今年の3月に運用が開始され、その後、いったん運用中止となっていたマイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用が、10月20日にスタートしました。マイナンバーカードの健康保険証利用が開始されても、健康保険証がなくなるわけではないこともあり、普及率がまだ上がっていないようですが、デジタル庁では以下のようなメリットがあると広報しています。

■主なメリット
・本人同意のもと、初めての医療機関でも薬剤情報等を共有できるため、より良い医療が可能になります。
限度額適用認定証がなくても、高額療養費制度における限度額を超える支払が免除されます。
※自治体独自の医療費助成等については、書類の持参が必要です。
・カードリーダーで顔写真を確認すれば、スムーズに医療保険の資格確認ができ、医療機関や薬局の受け付けにおける事務処理の効率化が期待できます。
・医療保険の請求誤り等が減少することから、医療保険者等の事務処理コストが削減でき、持続可能な制度運営につながる見込みです。
・就職や転職、引越をしても、マイナンバーカードを健康保険証としてずっと使うことができます。
※医療保険者が変わる場合は、加入の届出が引き続き必要です。

 現状の高額療養費制度の一般的な取扱いは、自己負担限度額を超えたとしても、自働的に適用にされるわけではなく、被保険者が請求することで適用となり、また、医療費が高額になるときには事前に限度額適用認定証を発行する手続きを取る必要があります。そのためマイナンバーカードを健康保険証として利用することで、手続きの簡略化のみでなく、高額療養費の請求の漏れの防止にもつながると思われます。

 実際の利用までには、マイナンバーカード発行のための手続きに加え、健康保険証としての利用申し込みが別途必要ですが、2023年3月末には概ねすべての医療機関等での導入を目指して、厚生労働省は医療機関・薬局のシステム整備を支援しています。


参考リンク
デジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用がスタートしました」
https://www.digital.go.jp/posts/lCQU-uoB
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
(宮武貴美)