「七五三」と言われた新卒3年以内離職率、最新の状況は大きく変化

 新卒社員については昔からよく「七五三」と言います。これは、就職して3年以内に中卒新入社員の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職という現象のことですが、その最新の状況はどうでしょうか?本日は先日厚生労働省が公表した令和2年度のデータを見てみることにしましょう。

 これによれば、新規学卒就職者の就職後3年以内離職率は以下のようになっています。
【 中学 】 55.0%(▲4.8P)
【 高校 】 36.9%(▲2.6P)
【 短大など 】 41.4%(▲1.6P)
【 大学 】 31.2%(▲1.6P)

 長期時系列データでみると、大卒と短大卒はあまり変化がありませんが、中卒と高卒はかなりの改善が進んでおり、既に「七五三」ではなくなっていることが分かります。なお、この離職率は事業所規模で相当の差があり、5人未満企業と1,000人以上企業を比較すると以下のようにまったく状況が異なっています。
高卒 5人未満企業:61.9% 1,000人以上企業:25.6%
大卒 5人未満企業:56.3% 1,000人以上企業:24.7%

 いずれも100人未満の企業での離職率が高くなっていますので、中小企業においては新卒社員の定着に向けた対策を徹底することが求められます。


参考リンク
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

(大津章敬)