2021年に1年を超える国民年金保険料を前納した場合の社会保険料控除

 12月が近づき、総務担当者はそろそろ従業員から提出された年末調整の書類のチェックを進めているころでしょうか。年末調整の仕組みは複雑化しており、取扱いに迷うことも多いかと想像します。その一つに国民年金保険料の払い方に係るものがあります。日本年金機構は誤りやすい1年を超える(13ヶ月以上)国民年金保険を前納した場合の社会保険料控除の方法について周知しています。

1.13ヶ月以上の前納により納めた国民年金保険料を所得より控除する場合、以下の方法のいずれかを選択する
①全額を納めた年に控除
②各年分の保険料に相当する額を複数年に控除(複数年分に分けて申告する場合)

2.各年分の保険料に相当する額を複数年に控除する方法を選択する場合
(複数年分に分けて申告する場合)
・日本年金機構より送付された「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」下部の3年分3枚の証明書のうち、2021年分の1枚を切り離して申告に使用する。
残りの2枚の証明書につきましては、2022年、2023年の申告時に使用するため、大切に保管することが必要。申告額は、複数年に分けて申告する際の証明額となる。

 なお、分割して申告を希望した場合、3年分を3回に分けて申告することとなり、分割を申告した翌年に残りの分をまとめて申告することはできないとのことです。

 前納での方法に選択肢があることで、証明書を確認する人は混乱する可能性がありますが、複数年にわたり控除することができることを押さえて処理に誤りのないように注意しましょう。


参考リンク
日本年金機構「市区町村国民年金担当者向け情報「かけはし」第72号(令和3年11月2日)」
https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/cooperator/shikuchouson/kakehashi/72.files/72.pdf
(宮武貴美)