昨春入社の新入社員の約半数が「退職を考えたことがある」と回答

 4月1日となりました。今日から新入社員を迎えている企業も多いでしょう。この新入社員を早期に育成し、定着させることが重要な課題となっていますが、昨年春に入社した1年前の新入社員は、かなり危うい状況になっているようです。そこで本日は、レバレジーズ株式会社が運営する新卒向け就職エージェント「career ticket」が実施した入社1年目の社員300人を対象に「入社後の状況に関する調査」の結果について見ていきましょう。

 まず、入社11カ月の2022年2月時点で、2021年4月入社の新入社員の9.3%が「すでに退職している」と回答しているという驚きの結果。在職している社員についても、49.6が「退職を考えたことがある」と回答しており、その退職を考えた時期では、「入社4〜6ヶ月後(35.6%)」が最も多く、ついで「入社7~9ヶ月後(27.4%)」と続いています。

 このように新入社員の早期離職が、かつてとは比較にならないレベルで進行している可能性があります。

 その背景にありそうなのが、リアリティギャップです。「新卒で入社した企業に対して、入社前の期待に比べ入社後はどのように感じるか」聞いたところ、以下のように「期待を下回る」と回答した者が4割となっています。
期待を大きく下回る 9.3%
期待をやや下回る 31.4%
期待通り 31.0%
期待をやや上回る 23.0%
期待を大きく上回る 5.3%

 ここで、「もっとも期待を下回ったポイント」の上位は以下のようになっています。
14.8% 希望の配属先や仕事内容ではない
13.9% ワークライフバランスを実現できない
11.5% スキルを磨きにくい環境だった
10.7% 社内の人とコミュニケーションを取りづらい
10.7% 昇給、賞与が少ない

 その他、入社前後のギャップについても「仕事内容」などで大きくなっており、そうした人材はどうしても早期離職リスクが大きくなってしまうでしょう。このギャップの解消なくして、人材の定着を図ることはできません。インターンシップや選考、更には内定者研修などの中で、実際の仕事内容や職場環境についての正確な理解を進めるような対策が重要になっています。


参考リンク
career ticket「入社後の状況に関する調査(2022/3/22)」
https://leverages.jp/news/2022/0322/3004/
career ticket「入社後の状況に関する調査(2022/3/14)」
https://leverages.jp/news/2022/0314/2976/

(大津章敬)