採用難から中途採用時の給与を引き上げる企業が増えています
ゴールデンウィーク後、最初の訪問先として服部印刷に向かう大熊であった。
大熊社労士
おはようございます!
服部社長
大熊さん、おはようございます。連休明けの朝イチから弊社にお越しいただき、ありがとうございます。ゴールデンウィークはゆっくりされましたか?
大熊社労士
ありがとうございます。今回は前半はいろいろ出掛けたのですが、後半は風邪をひいてしまったので、徹底的に休むことにしました。お陰でむしろ体調は絶好調です!社長はどのように過ごされたのですか?
服部社長
私は孫が遊びに来てくれたので、近場ばかりですがいろいろ連れ回りましたよ。
福島さん
社長のおじいさん業かぁ。どんな感じですか?なんでも欲しいものを買ってあげる優しいおじいちゃんっていう感じなんですよね?
服部社長
いやぁ…、そうだね。いつも娘に怒られるよ。
宮田部長
いいじゃないですか。なんか幸せなゴールデンウィークでしたね、社長。さてさて、大熊先生、今日はご相談がありまして。実は中途採用の件なのですが。
大熊社労士
はい、どのようなことでしょうか?
宮田部長
当社はお陰様で人手不足の状況にありまして、少し前から中途採用を行っているのですが、なかなか採用に至らないのですよ。他社の状況はどうなのかと思いまして。
大熊社労士
なるほど、他社も同じような状況ですよ。これはいろいろなお客様を見ていての実感でもありますが、コロナ以降、従業員の意識の変化があったのか、以前よりも離職が増えているように感じます。その一方で、なかなか採用もうまくいかないため、多くの企業で人員が未充足という状態になるのではないでしょうか。先日、リクルートが公表した調査結果によれば、2021年度下半期に中途採用の計画があった企業は90.8%で、うち、採用未充足企業がなんと80.8%、採用充足率が50%に満たない企業は全体の53.4%ということです。
宮田部長
ひょえーっ!そんなにひどいのですか。
服部社長
いやはや、これは驚いたな。当社が苦戦するのもそれでは仕方ないな。
大熊社労士
そうですね。とはいえ、必要な人員は確保していかなければなりませんからね。ちなみにこのような状況ですから、中途採用時の賃金の引き上げを行うという企業も増えていて、先ほどの調査で見ると、「増やす」との回答が、全体の15.0%となっています。近年は初任給の引き上げが積極的に行われていましたが、ここに来て、中途市場の活性化で中途採用の賃金の上昇が予想されます。
服部社長
なるほどね。政府からも賃上げという話がよく聞かれるようになっているが、そんな要請とは関係なく、人材確保のためには賃金の見直しが必要になってきそうだ。これは収益性を高める努力を本格的にしていかないといけないな。
福島さん
そうですね。人事だけの問題ではないと思います。ちなみに私の周囲でも転職した友人が複数いるのですが、昔は転職と言えば一時的に賃金が下がるという話が多かったと思いますが、その友人たちは転職で賃金が増えたと喜んでいました。
大熊社労士
そうなんですよ。この情勢ですから、転職で賃金が増えるという事例が増加しており、これもリクルートの調査から引用しますと、2022年1−3月期では、「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は32.6%にもなっています。
福島さん
やはりそうなのですね。ということは、私の場合も…。
宮田部長
福島さん、も、も、もしかして??
福島さん
宮田部長、なにを焦っているんですか?私は大丈夫ですよ、辞めませんから。人事としてしっかり課題を解決していって、安定した採用をできるようにしていきましょうね!
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。久し振りの更新となった大熊ブログ、いかがでしたでしょうか?コロナの感染者数も減少し、久し振りにGWを満喫されたという方も多いのではないでしょうか?あの人出で再び感染拡大とならないことを願いたいものですね。
参考リンク
リクルート「2022年1−3月期 転職時の賃金変動状況(2022/5/6)」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2022/0506_10281.html
リクルート「2021年度下半期 中途採用動向調査(2022/4/27)」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2022/0427_10277.html
(大津章敬)