旧東証1部上場企業の41.8%が初任給引き上げ、過去10年で最多水準

 近年、初任給の引き上げが続いていますが、今春の初任給の引き上げ状況はどのようなものだったのでしょうか?今回は労務行政研究所の「2022年度 新入社員の初任給調査」の結果を見ていきましょう。なお、この調査は、旧東証1部上場企業2,130社のうち、回答のあった 201社(うち、東証プライム上場企業は165 社)を集計したものとなっています。

 まず、初任給の改定状況ですが、全学歴で引き上げという企業が41.8%と、過去10年間でもっとも高い率となりました。

 その結果、全産業で見た学歴別の初任給水準は以下のようになっています。
高校卒(事務・技術)一律 175,234円(前年比+2,676円)
短大卒(事務) 187,044円(前年比+1,940円)
大学卒(事務・技術)一律 216,637円(前年比+2,574円)
大学院卒修士 234,239円(前年比+2,139円)

 大卒の初任給が20万円と言われた時代は既に遠い過去となり、21万円台後半となっています。あくまでも大手企業の調査ではありますが、新卒採用において初任給は重要なファクターですので、中小企業ではかなり厳しい状況となっています。


参考リンク
労務行政研究所「2022年度 新入社員の初任給調査」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000082927.pdf

(大津章敬)