社会保険の短時間労働者への適用拡大 男女・年代別で異なる反応

 今年10月にパートタイマーへの社会保険の適用拡大が行われます。対象となる企業ではその準備を進めていらっしゃるのではないかと思いますが、当のパートタイマーはこの適用拡大をどのようにとらえているのでしょうか?そこで今回は、マイナビの「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(22年3-4月)」からその状況を見てみることにしましょう。なお、この調査の対象は、全国の15~69歳の男女で、有効回答数はスクリーニング調査15,487名、本調査1,565名となっています。

 これによれば、今回の社会保険の適用拡大が自身に「良い影響があると思う(「良い影響があると思う」+「どちらかといえば、良い影響があると思う」)」と回答した人は、全体で44.4%となっています。これを年代別で見ると、基本的には若い世代の方が「良い影響があると思う」と回答する傾向があり、20代男性では、56.1%となっています。一方、男女別で見ると、女性はその率が低く、10代では50.0%ですが、20代では39.0%、50代では30.2%となるなど、社会保険の加入を前向きに捉えていない傾向が見られます。

 今回の結果からは、特に女性のパートタイマーを多く雇用している企業では、社会保険に加入する必要がない範囲での就業制限を希望するケースが増加し、場合によっては更なる人手不足が加速する可能性があります。それだけに早めの対応が求められます。


参考リンク
マイナビ「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(22年3-4月)2022.05.31」
https://www.mynavi.jp/news/2022/05/post_34176.html

(大津章敬)