65歳定年企業の割合が増加し、21.1%に 論点は70歳以上まで働ける職場づくりへ
近年、人手不足への対応もあり、定年を引き上げる企業が増えています。そこで本日は、厚生労働省の「令和3年「高年齢者雇用状況等報告」から高齢者雇用の状況を見ていきたいと思います。
まず定年を65歳とする企業の割合は21.1%となりました。中小企業では21.7%、大企業では13.7%となっていますので、この分野に関しては中小企業がリードする形になっています。
もっとも65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業の状況としては、「継続雇用制度の導入」により実施している企業が71.9%となっていますので、以前、圧倒的多数の状況になっています。
なお、改正高齢者法で努力義務とされた「70歳までの高年齢者就業確保措置」については、実施済みの企業は25.6%(中小企業:26.2%、大企業:17.8%)となっており、以下を見ればわかるように論点は70歳以上まで働くことができる環境の整備に移っている印象を受けます。
■66歳以上まで働ける制度のある企業 38.3%
中小企業:38.7%
大企業:34.1%
■70歳以上まで働ける制度のある企業 36.6%
中小企業:37.0%
大企業:32.1%
■定年制の廃止企業 4.0%
中小企業:4.2%
大企業:0.6%
来春からは公務員の段階的定年引上げが始まりますが、民間企業においても今後、65歳定年の義務化などの動きも出てくることが予想されます。少子高齢化の中、人材確保は厳しさを増す一方でもありますので、高齢者の活用ができるような職場づくりを進めていきましょう。
参考リンク
厚生労働省「令和3年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26246.html
(大津章敬)