FAQで示された副業・兼業に関する情報公表の記載例

 2022年7月13日の記事「改定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」」でも取り上げれた通り、先日、副業・兼業の促進に関するガイドラインが改定され、副業・兼業に関する情報の公表が追加されました。

 これに関連し、2022年7月13日にFAQも更新され、以下の内容が追加されました。
4-1 副業・兼業に関する情報の公表を推奨する趣旨・目的は何か。
4-2 公表の対象となる「副業・兼業」の範囲は、どのようになっているのか。
4-3 副業・兼業に関する情報について、どのような事項を、どのような方法で公表することが望ましいのか。
4-4 グループ企業で一体として公表することは可能か。

 この中で、多くの実務担当者がもっとも気になるのが、具体的な公表内容とその方法です。この点に関して、FAQでは以下のように説明しています。

  • 副業・兼業を許容しているか否か、また条件付き許容の場合はその条件について、自社のホームページ等において公表することが望まれる。
  • 副業・兼業が許容される条件等に変更があった場合には、速やかに自社のホームページ等で情報が更新されることが望まれる。
  • ホームページ以外の公表方法としては、例えば、会社案内(冊子)や採用パンフレットが考えられる。

 その上で、自社のホームページで公表する場合の記載例を以下のように示しています。
例:副業・兼業について条件を設けず、許容している場合
 弊社では、従業員が副業・兼業を行うことについて、条件を設けることなく、認めています。
例:副業・兼業について条件を設けて、許容している場合
 弊社では、従業員が副業・兼業を行うことについて、原則認めています。ただし、長時間労働の回避をはじめとする安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務及び誠実義務の履行が困難となる恐れがある場合には、認めていません。

 まだまだ多くの企業では副業・兼業に関するルールの整備も十分にできていない状況ではないかと思いますが、今後、そのニーズは確実に高まっています。今回のような機会を捉えて、社内での議論を進めていきましょう。


関連記事
2022年7月14日「兼業・副業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)」
https://roumu.com/archives/112708.html
2022年7月13日「改定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」」
https://roumu.com/archives/112715.html
2022年7月12日「副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)」
https://roumu.com/archives/112705.html

参考リンク
厚生労働省「副業・兼業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

(大津章敬)