年代別の転職意識 40代がもっとも転職意向が強いという結果に

 日本生産性本部が行っている「働く人の意識調査」は、テレワークや副業兼業の意識など、労働者の様々な意識を定点観測している貴重な調査ですが、その第10回 が公表されました。今回はこの中から転職意識について見てみましょう。

 転職に対する考えを年代別に見たのが以下の結果となります。
■転職をしたいと考えており、現在転職活動をしている
 20代 12.6%
 30代 6.8%
 40代 6.0%
 50代 3.8%
 60代 0.7%
 70代以上 1.7%
■いずれ転職をしたいと思っている
 20代 34.4%
 30代 39.8%
 40代 41.9%
 50代 28.3%
 60代 26.4%
 70代以上 10.0%
■転職をするつもりはない
 20代 53.0%
 30代 53.4%
 40代 52.1%
 50代 67.9%
 60代 72.9%
 70代以上 88.3%

 このように「転職をしたいと考えており、現在転職活動をしている」と「いずれ転職をしたいと思っている」の合計で見ると、20代~40台がすべて50%近い回答となっており、中でも40代は47.9%とトップとなっています。かつては転職上限年齢が35歳などと言われた時代もありましたが、いまや40代の転職意向がこれだけ強い状況になっています。転職エージェントの増加や深刻な採用難によって、今後は管理職や管理職に近いクラスの中堅人材の転職がより多くなっていくでしょう。

 また、転職意向は給与に対する満足度と一定の関連性が見られています。自らの給与が「相場に見合っていると思う」と回答している者の転職意向は36.6%であるのに対し、「相場より低いと思う」と回答している者は52.6%となっています。改めて、世間相場に見合った賃金の支給の重要性が高まっていると考えるべきでしょう。


参考リンク
日本生産性本部「第10回 働く人の意識調査(2022/7/25)」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/005947.html

(大津章敬)