今春入社の新入社員の28.3%が3年以内での退職を想定
今年の新入社員もこれで4か月半くらいの勤務をしたことになります。職場としてもそろそろ馴染んでくれたと感じている頃ではないかと思いますが、実際には多くの新入社員は既に転職を意識しています。今回はマイナビが実施した「新入社員の意識調査」の結果を見てみたいと思います。なお本調査は、2022年卒の新入社員を対象に実施されたもので、有効回答数は800名(22歳~23歳の男性400名、女性400名)となっています。
(1)いまの会社であと何年ぐらい働くと思いますか?
以下のように、3年以内で退職予定が28.3%、10年以内で退職予定が51.0%となっています。この水準は2020年以降概ね横ばいとなっています。なお、10年以内で転職予定を男女別で見ると、男性の45.1%に対し、女性は56.8%となっており、女性の転職志向の高さが目立っています。その背景には、結婚・出産などライフステージに合わせて働き方を変えたいという考えが強いことにあるようです。
3年以内 28.3%
4~5年ぐらい 13.8%
6~10年ぐらい 8.9%
10年以上 8.0%
定年まで 18.5%
分からない 22.6%
(2)働きがい別で見た結果
上記の質問を働きがいのあり・なしでより詳細に見てみると、以下のように「働きがいがない」と感じている社員の転職意向の高さが際立っています。
■働きがいがある
3年以内退職意向 20.2% 10年以内退職意向 45.0%
■働きがいがない
3年以内退職意向 63.9% 10年以内退職意向 74.5%
なお、「働きがいがない」と回答している者の28.0%は1年未満での退職を検討しているという結果も出ています。
このように、新入社員の意識は大きく変わり、転職を前提としたキャリアプランを描いていることが分かります。企業としてもそのリテンションを進めながらも、退職者を再雇用する仕組みや中途採用の拡大などの対応が求められます。
参考リンク
マイナビ「新入社員の意識調査(2022年)2022/8/4」
https://www.mynavi.jp/news/2022/08/post_34624.html
(大津章敬)