大転職時代を予感させる20代社員の転職意識の急激な変化
終身雇用という言葉を耳にすることが少なくなってかなりの期間が経過しますが、近年、人材不足も相俟って、転職市場が活性化しています。そんな中、パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」を見ると、若手社員の転職に対する意識が大きく変わっていることが分かります。以下ではその変化について取り上げましょう。
以下は、20代前半社員の転職に対する意識についての調査結果を2019年と2022年で比較したものです。
46%→60% 短期的に見て収入が上がる
50%→65% 転職を機に昇進・昇格がしやすい
46%→67% 転職先では将来、昇進・昇格がしやすい
58%→77% 新しい人脈が広がる
65%→78% 人材としての市場価値が高まる
64%→78% 積極的に(転職を)していく方がよいことだ
このように転職に対するイメージが非常にポジティブなものとなっています。バブル崩壊後のリストラの時代に成長し、終身雇用が幻想であるとの想いが強い世代であり、また人生100年時代となり、汎用的なスキルを獲得し、人材としての市場価値を高めることが不可欠だと考えている傾向がこのような結果に表れていると考えられます。
若手人材の減少が続く中、その効果的な採用だけでなく、定着や転職者の受け入れなどについても工夫が必要な時代となっています。
参考リンク
パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/pgstop/2022/
(大津章敬)