急増する上場企業の女性役員 前年比21.8%の大幅増
2021年6月のコーポレートガバナンス・コードの改訂により、上場企業における女性役員の登用が重要なテーマとなりました。本日は、東京商工リサーチの「2021年度決算「女性役員比率」調査」を引用し、その最新状況を見ていきましょう。
これによれば、2021年度の上場3,795社の女性役員の比率は9.0%で、前年度の7.4%から1.6ポイント上昇しています。3,795社の役員総数は39,601人で、前年度の39,144人から457人増加(前年度比1.1%増)していますが、このうち女性役員数は3,575人(前年度2,934人)となっており、前年度比21.8%の大幅増となっています。なお、過去5年間の推移は以下のとおりとなっており、毎年、着実に女性役員が増加していることが分かります。
2017年度 女性役員数1,560人(3.44%)
2018年度 女性役員数1,987人(5.17%)
2019年度 女性役員数2,411人(6.22%)
2020年度 女性役員数2,934人(7.49%)
2021年度 女性役員数3,575人(9.02%)
一方、上場3,795社のうち、女性役員ゼロは1,443社(構成比38.0%)で、前年度(1,693社、構成比45.7%)から7.7ポイント低下しています。
この流れは今後も継続することが予想されますが、社外取締役としての登用で人数合わせをしたような傾向が見られるのが実態であり、課題はまだまだ多いと言わざるをえません。
参考リンク
東京商工リサーチ「2021年度決算「女性役員比率」調査」
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220823_02.html
(大津章敬)