愛知県の高卒求人倍率 平成10年以降で最高の3.59倍を記録

 求人増に加え、少子化と進学率の上昇で、高卒求人が非常に厳しい状況になっています。

 愛知労働局は先日、「令和5年3月新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」をとりまとめ、公表しました。これによれば、新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況(令和4年7月末現在)は、以下のとおりとなっています。
(1)求人数
 32,938人と前年同期の28,654人に比べ 4,284人(15.0%)増加
(2)就職希望者数
 9,166人と前年同期の10,021人に比べ 855人(8.5%)減少
(3)求人倍率
 その結果、求人倍率3.59倍と、前年同期の2.86 倍から0.73ポイント上昇
(4)主な産業別の状況

  • 産業別では、全体の求人数の4割以上を占める製造業の求人数が14,860人となり、前年同期の12,347人と比べ2,513人(20.4%)増加
  • 中でも愛知県の基幹産業である自動車産業(輸送用機械器具製造業)では、求人数が5,807人で、前年同期の4,732人と比べ1,075人(22.7%)増加
  • 新型コロナウイルス流行前の令和元年 7 月末時点と比較すると、建設業が4,702人と令和元年の4,409人から293人(6.6%)増加しているも
    のの、大半の業種ではコロナ流行前の求人数には回復していない。

(5)職業別の状況

  • 職業別では、すべての職業において前年と比べ増加となり、特に製造・製作の職業では、求人数が15,598 人と前年同期の13,186 人に比べ2,412人(18.3%)増加
  • 増加率がもっとも大きかったのは採掘・建設・労務の職業で、求人数は3,832人と、前年同期の3,227人と比べ605人(18.7%)増加

 このように就職希望者数が遂に1万人を割り込む状況となり、高卒求人もかなり厳しさが増しています。安定的な人材の確保と定着が、企業の存続・発展の最重要課題となっていると認識する必要があるでしょう。


参考リンク
愛知労働局「令和5年3月新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/001231326.pdf

(大津章敬)