トラックの「改善基準告示」見直し案のポイントと押さえておきたい参考資料

 現在、トラックの「改善基準告示」見直しの議論が労働政策審議会において行われており、まもなく報告書が公表される見込みとなっています。そのポイントを簡単にまとめると以下のようになります。
(1)1年の拘束時間
 3,516時間→原則:3,300時間
(2)1か月の拘束時間
 原則:293時間→原則:284時間
 最大:320時間→最大:310時間(※)
※1年の拘束時間が3,400時間を超えない範囲で年6回まで
※284時間を超える月が3か月を超えて連続しないこと。
※月の時間外・休日労働が100時間未満となるよう努める。
(3)1日の休息期間
 継続8時間→継続11時間を基本とし、9時間下限
※長距離・泊付きの運行の場合は、運行を早く切り上げ、まとまった休息を取れるよう例外を規定。
(4)その他

  • 連続運転時間:「運転の中断」は「原則休憩」とする。SA・PA等に駐車できない等、やむを得ない場合は30分延長可。
  • 分割休息特例:分割の方法を見直し(現行:4H+6H、5H+5H等 → 見直し後:3H+7Hも可)、分割休息が連続する期間を短縮。
  • 2人乗務特例:車両が一定の基準を満たす場合には、拘束時間を延長。ただし、運行終了後11時間以上の休息を確保。
  • 予期し得ない事象:事故、故障、災害等やむを得ない場合の例外的取扱いを規定。

 2022年9月8日に行われた「第10回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会」の資料を見ると、改善基準告示に関する分かりやすい資料も添付されています。非常に分かりにくく、苦手意識を持たれている方が多い分野でもありますので、是非、ご確認ください。


参考リンク
厚生労働省「第10回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27781.html

(大津章敬)